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2026年10月27日公開

汎座通信vol.3

ハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]

第11期「神と仏のAIDA/聖と俗のAIDA」

第3講「キリスト教と仏教、日本人の宗教観」

ゲスト:橋爪大三郎(社会学者)

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第11期第3講、ゲストは橋爪大三郎さんでした。あの、橋爪大三郎です!異才・小室直樹ゼミの“ゼミ長”にして、「人文」の香りを漂わせた最後のひとり。

 

「自然法則は!神が作ったものだから神はこれを止めることができる!これを奇跡という!」「平田篤胤はキリスト教を密輸入してますから!」論理で斬り、論理で加速して全世界を凌駕しようという語り口が見ものです。

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「キリスト教と仏教、日本人の宗教観」について語る橋爪大三郎

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橋爪さんは、一神教を主権概念から説明します。一神教というのは神に主権がある。主権とはその領域で絶対的な=他に並ぶものない権力を持っている。そして神は自由意思を人間に与えたもうた。その自由意思で、神の御心に叶う生き方をすることを義といい、背くことを罪という。

 

神に偶然はない。全知全能の神は髪の毛の数、DNAの塩基配列、つまり寿命、まで知っている。誰かに災害の悲劇が起きれば、それは神が計算していた。だから誰にでも起き得た。だから連帯が生まれる。

 

神の御心はどのように知りうるか。預言者というのがいる。ノア、アブラハム、モーセ、イエス。聖書というのは預言者の言葉の記録。そして預言者の言葉の相互引用。それが聖典となる。

 

聖典があるということは、正しさの基準がある。神との契約である。契約に書いていることは決して裏切ってはならない。逆に書いていないことは何をやってもいい。日本のような信義誠実原則ではダメ。これがキリスト教。

 

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政治はどうか。選挙で大統領が選ばれるのは人が選んでいるのか。違う。神はすでに、誰が選ばれるのかを知っているのである。だから選挙とは、政治のルールとは、神の御業をあらわす工程である。司法は?陪審制もそう。

 

かくしてあらゆる社会システムが神の意志で説明されていく。会社ももちろんそうですね。だから利潤を懐に入れてはいけない。神の御業で得られたものは、神の御業に返さなければならない。投資です。かくして、キリスト教的一神教と現代資本主義グローバル世界がつながっていく。

 

そして最後に松岡塾長と橋爪さんの対談になって、余計にキリキリとしてきます。

 

17世紀、ホッブズが『リヴァイアサン』を書く。普遍教会つまり王権神授説なしに政治は説明できるか。できる。政治の論理だけで政治の自律性は説明できる。これがリヴァイアサン。政治が自立した瞬間です。アダム・スミスは、教会の力を借りずとも、「神の見えざる手」が働くことを示した。これで経済が自立する。

 

「自然科学は自然法則を変えないけれども、社会科学は世界を変えることができる!」文系が弱体化した21世紀になんという橋爪さんの断言でしょう。しかもホッブズもスミスも、異論だらけ敵だらけのなかでそれを言っている。

 

ところでここまで熱くキリスト教を説明していただいた橋爪さん(彼は福音ルーテル派です)のアカデミズムの出発点は、仏教とヴィトゲンシュタイン、なんですね。

 

なぜ?という松岡塾長の問いに橋爪さんは、どちらも素粒子物理学みたいなもので、精確にみようとするとぼやけてくる。自分は日本に生まれて、たとえば仏教のそういうところをヴィトゲンシュタインの理論を使っての普遍言語化できないか、とやってみたのだ、といいます。

 

そして今やるべきことは「日本」。本居宣長がやった「日本語の論理で日本語(古事記)を読むという量子力学的な試みを、最後は英語にして世界言語として伝えられないかと。

 

塾長も言っていましたが、この速度と測度。松岡的なエディットと橋爪的な知がバチバチと弾ける一幕をぜひご覧ください。

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Hyper Club世話役・中村羯磨まさとし

 

汎座通信とは「Hyper Club」会員向けに定期配信しているレターです。アーカイブ動画の読み解きや講義の様子、舞台裏、関連する松岡正剛の思想などを、世話役・中村羯磨まさとしが書き下ろしてお届けしています。

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